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ロールモデル1:石田 菜々絵 先生(薬学部)岩手医科大学-研究者支援室設置準備委員会

<石田 菜々絵(いしだ ななえ):薬学部 病態薬理学講座 分子細胞薬理学分野 助教>

プロフィール

・出身地:岩手県盛岡市

・平成22 岩手県立盛岡第三高等学校卒業

・平成28 岩手医科大学薬学部薬学科卒業、薬剤師国家試験合格

・平成28 岩手医科大学大学院薬学研究科博士課程入学、医療薬学専攻

 大学院在学中に岩手医科大学薬学部病態薬理学講座分子細胞薬理学分野助教への着任を打診され、大学院を中途退学し平成3111日より現職(分子細胞薬理学分野HP)

 

石田先生への質問

Q1 現在の研究内容を教えて下さい。

 私が所属する病態薬理学講座 分子細胞薬理学分野では、主に循環器疾患の基礎研究により新規治療薬の薬理作用や分子機序を解明し、臨床試験に繋げていくトランスレーショナル研究を行っています。特に糖輸送体の1つであるsodium/glucose co-transporter 1(SGLT1)に着目し、心筋虚血や脳虚血に伴う臓器組織障害に対するSGLT1の作用について研究しています。現在は、血管性認知症及びアルツハイマー型認知症における脳内SGLT1の役割をメインの研究とし、それ以外にも様々な研究に携わっています。

代表的な研究業績:

〇学術論文(原著)

1. Matsushita N, Ishida N, Ibi M, Saito M, Takahashi M, Morino Y, Taira E, Taniguchi S, Iwakura Y, Sawa Y, Hirose M. IL-1β Plays an Important Role in Pressure Overload-Induced Atrial Fibrillation in Mice. Biol Pharm Bull (2019) 42: 543-546.  [PubMed]

2. Matsushita N, Ishida N, Ibi M, Saito M, Sanbe A, Shimojo H, Suzuki S, Koepsell H, Takeishi Y, Morino Y, Taira E, Sawa Y, Hirose M. Chronic Pressure Overload Induces Cardiac Hypertrophy and Fibrosis via Increases in SGLT1 and IL-18 Gene Expression in Mice. Int Heart J (2018) 59: 1123-1133. [PubMed]

〇学術論文(総説)

1. 弘瀬 雅教, 松下 尚子, 石田 々絵, 衣斐 美歩, 斎藤 麻希. 心筋リモデリングと Na+/グルコース共輸送体タンパク1SGLT1. Yakugaku Zasshi, (2018) 138: 939-943. [PubMed]

〇受賞歴

1. 岩手医科大学圭陵会薬学部同窓会局スカラシップ 受賞(2017年)

 

Q2 石田先生は、本学薬学部の卒業生で薬学部の教員になった記念すべき第1号です。学部、大学院を通して岩手医科大で研鑽を積まれていますが、岩手医科大学に入学しようと思ったきっかけを教えて下さい。

 私が岩手医科大学に入学したきっかけとしては、父と祖父の母校であったことと、生まれ育った岩手県の地域医療に貢献したいと思ったことが大きいです。また高校時代に創薬に興味を持ったことも理由の1つです。そこで、医療系総合大学の中でも歴史と伝統があり、岩手県内の地域医療の中心拠点となっている岩手医科大学を選びました。

 

Q3 どんな大学生活を送っていましたか?

 大学生活は思っていた以上に勉強漬けの日々でした。とはいえ、友人と旅行したり、高校の頃と同じ弓道部に入って練習に励んだり、合宿に参加したりと楽しい事も沢山ありました。特に、4年次の終わりに孤児院でのボランティア活動を兼ねたボリビア旅行に行ったことは、自分自身の視野を広げる機会にもなり、とても貴重な経験になりました。

 

Q4 薬剤師免許を取得していますが、基礎研究の道を選んだのはなぜですか?

 大学46年次の卒業研究を通して、研究の難しさや面白さを実感することができたからです。集中して取り組める期間が短かった卒業研究では時間のかかる実験手技の習得や充実した研究を行うことには限界があり、自分なりに消化できないまま研究が終わってしまった感じで、医学薬学分野におけるより高度な知識の習得と先端分野の研究を行いたいと思い、当時は就職ではなく進学を決めました。

 

Q5 社会人になってから生活は変わりましたか?趣味や息抜きの方法などありましたら教えて下さい。

 社会人になってからの生活は大きく変化はしていません。趣味は旅行と映画鑑賞で、飼っている2匹の犬と遊ぶことが息抜きです。

 

Q6 今後の目標・夢を教えて下さい。

 1月から助教として働き始めたばかりで、まだ何においても手探り状態なのですが、岩手医科大学および大学院で学んできた経験を生かして、より学生に寄り添った教育を行えたらと思っています。また、卒業研究を通して、創薬につながる薬理学研究の楽しさや重要性を知ってもらえるよう、微力ながら精一杯頑張りたいです。

 

Q7 薬学部を目指す高校生にアドバイスをお願いします。

 岩手医科大学は医学部・歯学部・薬学部・看護学部の4学部が1つのキャンパスに集まっている医療系総合大学です。そのため、専門分野以外の分野についても幅広く学ぶことができ、早い段階からチーム医療を学ぶことができます。薬学部に関しては、国家試験を意識した講義だけではなく、施設や設備が充実しているおかげで、より実践的な実習が行えるのも魅力のひとつです。また基礎研究にも力を入れていて、他学部や企業と共同研究している講座もあれば、最先端の研究を行っている講座もあり、各講座によって雰囲気や特徴が異なるので、入学した際には興味のある講座を見つけてもらえればと思います。また先輩や後輩に限らず、先生方との距離も近いのでアットホームな雰囲気があり、質問や相談がしやすい環境だと思います。大学に入学してから苦労しないよう、今のうちに基礎学力の定着(特に理系科目)と自主的に勉強する癖を身につけておくと、きっと楽しい大学生活を送れると思います。

 

Q8 薬学部の在校生に向けてアドバイスをお願いします。

 大学の6年間は長いようであっという間です。しかし、覚えなければいけない内容は膨大にあり、全てを完璧に理解することはとても難しいです。私自身がそうであったように、要領が悪い人でも要領良く、効率良く勉強する必要があります。例えば、今勉強しようと思っている範囲は重点的にやるべきかどうなのか、一度考えてみて下さい。全ての範囲に同じように時間をかけるのは本当に勿体無いです。試験に受かるも落ちるも、結局は自分の努力次第です。今は辛いかもしれませんが、いつか後悔する時が来ないよう、是非頑張って欲しいです。

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