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ロールモデル4:野里 同 先生(看護学部 共通基盤看護学講座 助教)岩手医科大学-研究者支援室設置準備委員会

野里 同(のざと ひとし):看護学部 共通基盤看護学講座 准教授> 

 

プロフィール

・出身地:岩手県滝沢市

1998 岩手県立盛岡北高等学校 卒業

2002 岩手大学教育学部小学校教員養成課程保健体育科 卒業

2004 盛岡市医師会准看護学院 卒業、荻野病院 入職

2008 岩手看護専門学校別科 卒業、岩手医科大学附属病院 入職

2019 岩手県立大学大学院看護学研究科博士後期課程修了(看護学博士)

・岩手医科大学附属病院では眼科、CCU病棟を経験し、20214月から看護学部の准教授に就任

 

現在の研究内容

 私の研究テーマは、『看護技術のエビデンスの追求』です。これまでは、語り継がれてきた看護師の経験値を可視化し、看護技術のエビデンスを構築する研究が多く行われてきましたが、看護技術の中には『思い込み技術』でありエビデンスが曖昧で漫然と実施しているものが少なくないように感じます。この『思い込み技術』が本当に効果的な技術であるかを検証することが現在の研究のメインとなっていますが、臨床の看護師が『思い込み技術』に気づくためには普段から行っているケアが本当にベストプラクティスであるかを疑問視することが非常に重要になってきます。この思考過程を学生の内から身に着けることができるよう講義・演習を工夫するようにしています。

 

研究業績

〇学術論文(原著)

1.深部体温が上昇した際の圧迫皮膚への影響に関する基礎研究

野里同、武田利明 褥瘡会誌 (2018) 20 26-32.

2.スキンケア用品を用いた皮膚の浸軟予防に関する基礎研究 

野里同、武田利明 褥瘡会誌 (2018) 19:435-439.

3.湿潤状態への皮膚への加圧による組織障害に関する基礎研究

野里同、武田利明 褥瘡会誌 (2017) 19:49-54.

 

〇研究費

1野里同(代表)日本学術振興会「若手研究」2018-2021:カテコラミン製剤による血管外漏出に対する確かなケア方法の確立に向けた基礎研究

 

〇受賞歴

1.日本褥瘡学会 最優秀演題賞(2019年)

2.岩手医科大学 Best Teacher賞(2019年)

3.岩手県立大学大学院 学長賞(2019年)

4.日本褥瘡学会 最優秀演題賞(2018年)

5.日本褥瘡学会 若手論文奨励賞(2018年) 学術論文2で受賞

 

現在に至るまでの経緯

 漫画『スラムダンク』世代であり、将来バスケットボールを教える教員を目指し岩手大学の教育学部保健体育科に進学するも、四年間ほとんど勉強せずにバスケットボールしかしておらず、教員試験に合格する自信がなかったため教員の夢を断念。就職活動中にプー太郎(ニート)だった親友に連れていかれた職安(ジョブカフェ)で給料が高かった看護師の求人を見て、看護師になることを決意し、学費の安かった准看護学校に入学しました。

 准看護師の資格を取得してからは、日中は病院で勤務し、夜は学校に行く(たまに学校終わってそのまま夜勤)という超ハードスケジュールな毎日を繰り返したことで、夜あまり寝なくても平気になったことは、現在の徹夜の実験または論文作成に大いに役立っています。

 看護師の資格を取得してからは岩手医大で勤務していましたが、准看護師時代の超ハードスケジュールに慣れた私としては時間をもてあましていたため、なんとなく岩手県立大学の大学院に入ることにしました。そこで、たまたま担当になった指導教官が動物実験を用いた看護技術の実証研究を行っていたこともあり、私も看護技術の実証研究を行うようになりました。

 看護学校に通っている時や看護師免許を取得したての頃は、教育学部で教員を目指した四年間が無駄だったと考えた時もありますが、看護師の時は新人指導に、そして看護学部では学生の指導にと、教育学部で学んだことはとても役に立っています。このように、一見無意味に思えることでも、後で役にたつことは多々ありますので、学生の皆さんには一日いちにちを大切にして欲しいと思います。

 家族は妻(鬼)と娘(世界一可愛い)の三人で、妻も看護師をしていますが、夜勤も行っているため、私が娘のご飯やお弁当を作る時があります。また、妻は休日の出勤もあり、娘と二人で出かけることも多々あります(妻の夜勤明けは、家にいると不機嫌になるのでお出かけ必須です)。正直、子育ての時間を研究に使いたい時もありますが、睡眠時間を削って夜勤の直前まで家事と子育てを両立している妻の姿を見ていると、夫が少しでも家事と子育てを協力することは本当に大切だと思います。そして、不思議なもので、研究に多くの時間を費やし、家事や子育ての協力が不十分だった時より、家事や子育てに協力している現在の方が、良い研究成果が出ているような気がします。看護師が家事と子育てを行いながら、研究を行う大変さはよく理解しているので、今後は臨床の看護師の研究を少しでもサポートできる仕組みを作っていきたいと考えております。

 

学生さんへのメッセージ

 現在、失敗した人に対して非常に厳しい世の中になっており、ニュースでも批判的な論評も多いせいか、失敗を恐れて何かに挑戦することをためらう学生が多いように感じます。失敗から学ぶことも多いですし、何より社会に出てから失敗を起こさないためにも、学生の内は沢山の事に挑戦してみてください。

 

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