2014年度 岩手大学次世代育成サポーター養成講座 参加報告岩手医科大学-研究者支援室設置準備委員会
2014年度 岩手大学次世代育成サポーター養成講座 参加報告
日 時: 5月31日(土)9:00~16:45、6月7日 (土)9:00~16:30場 所:岩手大学学生センターB棟 1階 GB11講義室
参加者:衛生検査部所属薬学部生6名、大橋綾子(研究者支援室設置準備委員会委員)
岩手医科大学における「学生による次世代育成サポーター活動」の事前調査の一環として、岩手大学で毎年開催されている「次世代育成サポーター養成講座」にオブザーバー参加させていただきました。
岩手大学では、2008年に男女共同参画推進室を設置され、2009年に岩手大学男女共同参画推進宣言(学長宣言)の公表以降、男女共同参画を積極的に推進されています。岩手大学男女共同参画行動計画(2012年より5カ年計画)では「次世代を担う学生に向けて男女共同参画にかかわる教育を推進する」ことを定め、様々な活動を展開されています。「次世代育成サポーター養成講座」はその主たる活動の一つで、2011年にスタートし今年で4年目を迎えられたそうです。
今回は、講義と実習からなるサポーター養成講座のうち、講義(2日間)に衛生検査部に所属する薬学生6名と、参加させていただきました。2日間とも朝9時から昼休みを挟んで8時間にわたる連続集中講義でしたが、学生の皆さんは、どの講義も楽しく、そして時には涙ぐむほど感動しながら聴講していました。以下、本学からの参加学生のレスポンスカード(講義後の振り返り、感想メモ)を踏まえて、報告いたします。
初日は、副学長・男女共同参画担当理事の菅原悦子先生による開校式で始まりました。「次世代育成概論」(教育学部 土屋明広先生)では若手の男性教員がご自身の子育てのことも触れながらこのサポーター養成講座が必要な背景や意義をやさしく語られました。続いて、「子どもと楽しむ食育〜たのしいね、おいしいね。食事で育む子どもの心と体〜」(教育学部 菅原悦子先生)では、地産地消と連携した岩手県の食育の取り組みや、食事を通じて子供の心と体を育む重要性を学びました。現在問題になっている弧食や個食という言葉や、大学生でも朝食をとらない割合が増えていることなども知りました。午後には、「子どもと保育者のための救命講習〜ヒヤリ!でも焦らない。子どもを救ける救急・救助法〜」(盛岡消防署上田出張所)で、保育する際の安全面での注意すべき点、子供目線で危険を察知することの大切さを学びました。更に、「子どもの遊びデザイン〜ワクワク。今日は何して遊ぶ?〜」(岩手県立児童館「いわて子どもの森」チーフプレイリーダー 長崎由紀先生)では、参加した学生は童心に返って大変楽しく過ごしながら、子供たち自身が楽しめるサポートの在り方についても考えました。最後に、「乳幼児の発達発育について〜ぐんぐん育つよ。子どもたち〜」(教育学部 武田京子先生)では、保育の基本となる乳幼児の発育を詳しく学び、愛情を持って一人一人の子供に接することを教えていただきました。
2日目は、「子どもの健康と病気について〜子どものぐったり、病気のサイン?〜」(岩手看護短期大学看護部 西里真澄先生)では、子供たちの健康状態を知るサインについて看護の視点から詳しく教えていただきました。続いて同じく西里先生による、「子育て支援について考える〜広がる子育て支援、親支援の輪〜」という講義では、お名前の由来などご自身の経験に基づくエピソードに皆大変感動していました。子育て支援に関わる意義を改めて考えた学生も多かったようです。午後に入り、「子どもの福祉を考える〜子どもに光を注ぐ社会を目指して〜」(岩手県北広域振興局保健福祉環境部 吉田正先生)では、岩手の子供を取り巻く環境と県の進める子育て支援についてお話いただき、「岩手の財産は人材である」という言葉に感激したという学生もいました。「乳幼児の心理について『ホッとギューッでエネルギー充てん!~児童心理の視点から~』」(保健管理センター 立原聖子先生)では、子供の記憶や思考は大人とは異なっており、この点を踏まえて子供の気持ちや行動を理解しようと接することが重要であること、また乳幼児期の愛着パターンがその後の対人関係の基礎になっていることを学びました。
非常に濃密な内容で、学生にも有意義ですが、子育てを始める若手職員にも本当にためになる講義の連続でした。特に、安全面への配慮や救急スキルを身につけること、子供の心理や行動の背景を理解することなどについて、様々な角度からしっかりと講義されていて、大変勉強になりました。
この養成講座の正規の受講生は、講義に続き、キャンパス近郊の学童施設と保育園での実習を受講し、次世代育成サポーター認定証を授与されるとのことです。サポーターがその後ボランティア活動を行うと、大学での「コミュニティサポート実習」として単位が認められる制度があり、学生のカリキュラム以外の活動を推進するしくみとして、素晴らしいと思いました。このサポーター1期生としてボランティア活動をしてきた岩手大学の学生さんたちが現在就活中と伺いましたが、社会に出ても評価される活動であることを願っております。
岩手医科大学の衛生検査部は、附属病院小児病棟での入院小児患者と遊ぶボランティアをするクラブで、子供や子育て、地域への関心が高い学生が多く所属しています。今回オブザーバー参加した部員からは、「参加して良かったです。是非矢巾キャンパスでも同様の活動ができるようにして下さい!」とのメッセージをもらいました。
最後になりましたが、岩手大学男女共同参画推進室並びに関連部署の皆様、また講義いただきました先生方に、深く感謝いたします。リンク:岩手大学HP「2014年度 岩手大学次世代育成サポーター12名を認定しました」
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